エミールガレとは、アール・ヌーヴォーを代表するフランスのガラス工芸家の名前です。
ガレ作品は西洋アンティークの分野でも高く評価されていて、展覧会出展作や文献・カタログに掲載される等の有名な作品は、何千万円という価格で取引されることもある程です。
エミールガレ作品は基本的に価値が高く、それだけである程度の買取価格は期待できるのですが、制作年代によっても価値が変わりますし、偽物・贋作も多く流通しています。
このページでは、西洋アンティークの「エミールガレ作品」の買取相場と鑑定のポイント、特に高く売れやすいガレ作品の特徴なども分かりやすく解説していきます。
ここがポイント!
エミールガレ作品の価値を特定するのは非常に難しく、価値を100%自己鑑定に頼ってしまうのは避けたほうが良いです。
特にこうした高額な美術品は市場の影響も強く受けやすいので、買取相場も常に上下を繰り返しており、精確な鑑定価格はプロでないと絶対に分かりません。
そのためこのページで得た鑑定情報と並行して、骨董品買取業者の無料メール査定などを利用し、プロの目から見た正しい価値も知っておくことを推奨します。
当サイトでもおすすめの骨董品買取業者「福ちゃん」と「日晃堂」であれば、完全無料で相談・査定を受け付けているので、もし気になるエミールガレがあれば相談する事をおすすめします!
西洋アンティーク作家の「エミールガレ」について
エミールガレはアールヌーヴォーにおけるガラス工芸の分野でいち早く頭角を表し、時代を代表する作家として知られました。
「アールヌーヴォー」とは19世紀後半に生まれた新しい芸術様式で、自然の有機的なモチーフと、曲線を多用したデザインが特徴です。
エミールガレといえば花瓶やランプなどのガラス工芸品で広く知られますが、のちに家具工房も設立し、作品の幅が非常に広い作家です。
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花瓶
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ランプ
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壺
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テーブル
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水指
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盆(トレー)
高く売れるエミールガレ作品とはどんなもの?
エミールガレの作品ジャンルは主に上記のように分けられますが、鑑定のポイントは複数あり買取価格も「年代」「装飾」「状態」などの複合的な要素で決定していきます。
そのため「ガレ第一次工房期の貴重な作品だから」「破損がなく、全て当時のオリジナルのままだから」「アーティスティックピース(芸術品として作られたもの)だから」など、高価買取に至る理由もそれぞれです。
前述したように、エミールガレの作品を鑑定するのは知識のある人間でないと非常に難しく、かつ品物ごとに価値や鑑定価格も大きく変わります。
ここが注意点!
エミールガレ作品はその価値の高さゆえに、精巧に作られた偽物も多く存在します。
骨董品買取業者なら真贋も含む査定結果を出してくれるので安心ですが、真贋が分からないままヤフオクやメルカリで売却してしまうのはあまりおすすめ出来ません。
また、本物か偽物か分からない品の場合も、捨てる前に一度は専門家に相談しておくことをおすすめします。専門家の査定によって本物だと判明し、高く売れるものだったという可能性も十分にあります!
また、文献やカタログに掲載されたり、作りが豪華なガレ作品になると何百万~何千万という買取価格が付く可能性もあるのですが、そこまでいくとさすがに文化財レベルの希少品になってくるので、一般家庭からはそう滅多に見つかるものではありません。
ただ、ガレ作品には芸術品として作られた「アーティスティックピース」と、一般販売向けに作られた「コマーシャルピース」があり、一般流通向けに作られた品も多く存在します。
また、ガレ一人で作品を作っていたわけではなく、ガレは工房を作って多くの従業員を雇っていました。全盛期には約300人も働いていたため、多くの作品を制作できる環境でした。
そのため、ガレ作品は個人所有の割合も比較的高く、例えば数十万円単位の買取価格が付くようなエミールガレ作品なら、一般家庭から見つかる可能性も十分にあります。
では、ここからは具体的にどんなエミールガレの作品にどれくらいの買取価格が付くのかも紹介していきます。
エミールガレの買取相場と価値について
ここでは、エミールガレの買取事例として概要と相場をまとめて解説していきます。
エミールガレ マルケットリー花瓶(第一次工房期)
エミールガレの中でも作品数が多く、数多くのデザインが存在するのが「花瓶」です。
ガレは特にガラス工芸に秀でた作家で、ガラスで出来たパーツを違うガラスへ象嵌する「マルケットリー技法」、ガラスの表面をあえて濁らせる「パチネ」で特許を取得しています。
こちらはマルケットリー技法が使われたエミールガレの花瓶で、西洋アンティークの買取相場としてはおよそ50万~55万円前後が期待できる品です。
こうした独自の技法や難しい技術が使われていて、制作に手間が掛かる作品になると基本的に買取相場も高くなります。
また、こちらの花瓶には1900年代に使っていたサインが入っており、ガレ存命時の作品ですので「第一次工房期」に該当し、買取相場も比較的高額な品が多い時代です。
エミールガレ テーブルランプ
エミールガレが活躍していた時代は、ちょうど一般家庭にもテーブルランプが普及してきた時代と重なります。
電気ランプはオイルランプやろうそくよりも便利で、かつ炎を必要としないため安全性も高く、かつランプの造詣をより自由にすることが出来ました。
結果としてランプの芸術性が高まり、アールヌーヴォー時代のガラス作家たちは、こぞって電気ランプを作り始めました。
エミールガレも例外ではなく、1900年のパリ万博で多くのランプ作品を発表しており、以降も数多くのランプを積極的に手掛けるようになっています。
ランプ作品は比較的壊れやすく、長く残っている古いものだと似たようなパーツと組み合わせて修繕した作品が多いのですが、全て当時のオリジナルで揃っているものは希少価値が高く、買取価格も期待できます。
こちらはガレ作品のランプで、買取相場としては28万~35万円前後が期待できる品です。パーツは交換されています。
一般販売に向けた普及版なので技法的な希少価値はそこまで高くないのですが、ガレ作品は市場での人気が高いので買取価格も高額に至る例が多いです。
エミールガレ マルケットリーテーブル
エミールガレは家具デザイナーとしても活躍したことでも知られます。アールヌーヴォーの曲線を活かしたガレらしいデザインで、特に寄木象嵌でモチーフを表現した家具が多いです。
1889年のパリ万博では「冬の植物相」と名付けたキャビネットを出品し、見事銀賞を受賞、以降も木製のアールヌーヴォー家具を多く創出しています。
こちらはエミールガレが手掛けたテーブルで、木材を他の木材に嵌め込んで模様を作る「マルケットリー(象嵌)」技法が使われています。
古い品のため亀裂や打ち傷などがありますが、こちらもアンティーク品として需要が高く、買取相場としてはおよそ8万円~12万円前後が期待できます。
高く売れるエミールガレの特徴と制作年代
基本的にエミールガレ作品の価値は「状態」や「装飾や技法(手の込んだ作品ほど価値が高い)」などの複数のポイントで決定するのですが、「制作年代」も大切な鑑定ポイントのひとつです。
エミールガレの制作年代は、基本的に下記の3つに分けられます。
制作年代はプロでないとなかなか見分けが付かないので詳しい部分は割愛しますが、もし鑑定書などが付いている作品なら、鑑定書に制作年代が記載されている場合があります。
第一工房期(1874年~1904年)
1874年~1904年のエミールガレ存命の時代を「第一工房期」と呼びます。この頃の作品は「オリジナル」と呼ばれ、骨董品市場でも特に評価が高いです。
この頃の作品には、透明ガラスにエナメル彩で装飾を施したものも多く、一見ガレの作品だと分かりにくいようなデザインの品も多いです。
比較的初期の作品ではイスラムやジャポニズムの影響を強く受けたものが多く、ガレの作品らしいカメオ硝子は1880年代に入ってから多用されるようになっていきました。
また、この頃の作品はサインも複雑なものが多く、日本に影響を受けた縦書きのサインなど、遊び心のあるものが多く確認出来ています。このサインの再現もかなり難しいので、ガレの初期作品には比較的贋作が少ないのも特徴です。
品物情報 | 買取相場 |
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伊万里焼風 燭台 | 45万円 |
シイ装飾ガラス花瓶 アプリカシオン/グラヴィール技法 | 250万円 |
チューリップ文サリッシュール花瓶 | 65万円 |
第二工房期(1904年~1914年)
ガレの没後も、ガレの友人ヴィクトール・プルーヴェや、ガレの妻アンリエット・グリムらによって工房は稼働を続けました。
友人ヴィクトールは画家として活動しており、以前からガレのために下絵を描く仕事をしていたため、ガレ特有の作風を深いレベルで理解できている人物でした。
ガレの没後は、流行の推移もあって以前のような重厚な作品や複雑な立体表現はあまり用いられなくなっていきますが、代わりに数層重ねられたガラスと浮彫の技法において優れた作品を手掛けています。
ただ、この時代は量産性が高い製品を中心として生産していたため、買取相場としてはあまり高額になることは稀ですが、それでもアンティーク品として安定した買取価格が期待できます。
品物情報 | 買取相場 |
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植物文被せガラス花瓶 | 10万円 |
あじさい文被せガラス花瓶 | 15万円 |
植物文大壺 | 38万円 |
第三工房期(1918年~1931年)
1914年からは第一次世界大戦の影響によって一時生産を中心したガレ工房ですが、1918年には娘婿ペルトリーゼによって製造が開始されます。
既にガレは逝去しているため本人が主導権を握って作った作品ではないのですが、この第三工房期の作品は技術的にも良いものが多く、高額な買取価格が付くものもかなり存在します。
例えば、これまでのガレの作風を継承した作品作りは勿論ですが、図柄を浮き上がらせてより立体的に見せる「スフレ技法」を開発したのも第三工房期(1920年代)の頃です。
ただ、戦争による不況や社会情勢の変化によって高級美術品の需要が少なくなってしまったため、1931年に会社は解散し、工場の敷居は売却されています。
品物情報 | 買取相場 |
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被せガラス花瓶(文献掲載作) | 280万円 |
スフレ技法 被せガラス花瓶(文献掲載作) | 350万円 |
プラム文被せガラス花瓶 スフレ技法/酸化腐蝕装飾 | 68万円 |
ガレ作品(Tip作品)
ガレの名を冠した作品の中には、「Tip」の名が入っているものがあります。
これは、かつてガレ工房で働いていた職人がルーマニアへ移り住み、ガレの技法を利用して出来上がった”ガレ風の作品”で、現在は50社前後がTip作品を作っています。
ルーマニア製のガレ作品には「Tip」というサインが入っているので、見分けるのは比較的簡単です。
Tipの文字が確認できるものは基本的に安価ではあるものの、ガレの系譜をたどる作品ですので、贋作・偽物という存在ではありません。
ここが注意点!
ただ、このような制作年代はあくまで数ある査定ポイントのひとつで、基本的には使われている技術や希少価値によって買取価格が付けられます。
ガレは基本的に産業芸術家として活動していた面が多く、ガレ存命時であっても本人の意思で、一般販売される廉価な品も多く作られていました。
そのうえ、作品の価値も装飾や状態によって様々ですので、その品ごとに買取価格は大きく異なります。
例えガレの花瓶が2つあったとしても、1点は200万円、もう1点は5万円というかけ離れた結果になる可能性も大いにあるということです。
エミールガレの価値・買取価格が気になる場合は、骨董品買取業者の無料査定を活用することをおすすめします!
エミールガレを高く売る為のコツと注意点
エミールガレを高く売るための最も大事なコツは、やはりお持ちのガレ作品の相場をある程度知っておくことに尽きます。
相場さえきちんと把握出来ていれば、ヤフオクなどのオークションを利用して個人売買を行うにしても、買取業者へ売却するにしても、安すぎる値段で売ってしまって損するケースは避けられるためです。
また、エミールガレ作品は偽物や贋作が非常に多く出回っていることでも知られます。
真贋が分からないままオークションなどで売ってしまうのはおすすめ出来ませんし、誤った価値によってトラブルが起こる可能性もあります。
そのため、価値を知っておくのは非常に大切なことなのですが、ガレ作品の価値を鑑定するのは非常に難しく、技法などもきちんと査定でき、かつ常日頃から市場に出入りしていて相場の上下も知っている専門家でなければほぼ不可能です。
また、業者ごとの在庫状況や流通ルートによっても簡単に買取価格は変わってしまうため、買取業者に依頼する際は、高く売れる業者選びも重要になってきます。
ですので、素人でも簡単にエミールガレ作品の相場を知る方法としては、まず2社以上の骨董品買取業者に相見積もりを依頼し、買取相場と作家作品かどうかを把握する方法をおすすめしています。
複数の業者へ依頼することで大体の買取相場を簡単に把握できますし、買取業者ごとの買取価格差も大体分かるので、実際に売るときも簡単に高く売れる業者が分かります。
メール査定を利用すれば無料で色々な相談が出来ますし、問い合わせの内容は使い回し出来るので手間も掛かりません。
専門家からどういう作品なのかも教えてもらえますし、正確な買取相場も簡単に分かるので、ガレ作品のような複雑なアンティーク品の価値を知るには「複数の買取業者へ問い合わせる」という方法を最も推奨しています。
ここが注意点!
相見積もりを取る骨董品買取業者の選び方ですが、「怪しい買取業者へ依頼するのはやめておく」という点が大切です。
もし悪質な買取業者に当たってしまった場合、言いくるめられて不当な買取価格で売却してしまう可能性もあります。
価値を知ってか知らずか、どんな骨董品でもガラクタ扱いしてタダ同然で買取しようとするようなケースもありますので、正しい価値を知ることが出来ない可能性も高いです。
エミールガレの鑑定・売却のおすすめ業者は?
エミールガレは非常に有名な作家ですので、西洋アンティークの分野でも高い人気を誇ります。
ですが、エミールガレの作品は基本的に価値の見分けが難しく、「この技法にどれだけ手間が掛かっているか」「この装飾はガレ工房初期頃に影響を受けたもの」など、作品から価値を読み取る必要があります。
また、こうした高級なアンティーク品は、世界情勢や市場の状態によっても簡単に買取相場が変動しますので、一度はプロの意見を聞いておくことを推奨しています。
ガレのような高級美術品は、本来の価値を知らないまま安値で処分してしまうと非常にもったいないので、当サイトでもおすすめの骨董品買取業者「福ちゃん」か「日晃堂」に無料相談してみることをおすすめします。
エミールガレの買取をしている業者は色々とありますが、こちらの二社を特におすすめしている理由は「買取価格・鑑定力・専門性・サービス対応」など骨董品買取に関する実績が特に優れていたからです。
特に、福ちゃんは焼物やアンティークにも精通している中尾彬さんと池波志乃さんがご夫婦でイメージキャラクターとして起用し、テレビCMなどのメディア展開、200万点をこえる買取実績数など、大手買取業者として信頼できるので、エミールガレの買取で悩んでいれば福ちゃんに相談すれば間違いありません!
福ちゃんのおすすめポイントまとめ
- 骨董品買取でも経験豊富な査定士が在籍
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- 総合買取業者なので、幅広い不用品でもまとめて任せる事ができる
- 実績豊富な大手買取業者の一社なので、大手としての安心感あり
- 遺品丸ごとパックという独自サービスあり
福ちゃんの骨董品買取サービスのメリットを挙げればキリがありませんが、全国的に見てもここまで総合的に優れた骨董品買取サービスを提供しているのは福ちゃんの他にありません。
「エミールガレの買取価格が知りたいだけ」といった、相談だけをしたい時も福ちゃんでは積極的に対応しています。
もしも、自宅で気になるエミールガレが見つかってどうしようか悩んでいれば、とりあえず福ちゃんに相談して色々と教えてもらうとよいでしょう!
エミールガレ買取についてまとめ
エミールガレというと美術の教科書にも載っているような有名な作家で、アールヌーヴォーのガラス工芸を牽引し、美術史における歴史的評価も高い人物です。
ジャポニズムをイメージさせる自然主義デザインの為か、特に日本では人気が高い作家で、熱心なコレクターも多いことで知られます。
また、パリ万博で受賞を重ねる等、生前から評価が高かった人気作家ですので、ガレの作品だと分かっていながらも粗末に扱う人はほとんどいません。ゆえに、当時作られた古い作品でも綺麗に残っている場合が多いです。
ただ、エミールガレ作品は価格帯が非常に幅広く、買取相場も数万円~数百万円までの開きがあります。
そのうえ非常に贋作が多い作家ですので、もしエミールガレ作品の売却を検討しているのであれば、一度はプロの査定を受けておくことをおすすめします。
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