ドームとはフランスでガラス工芸品を制作していた兄弟の名で、「ドーム兄弟」「ドーム・ナンシー」と呼ばれることもあります。
フランスでアールヌーヴォー様式が流行した際に活躍し、同じくガラス工芸家のエミールガレと並んで語られることが多く、西洋美術史においても高く評価されている作家です。
もちろんアンティークの分野においても高価買取が期待できる有名作家で、例えばテレビ番組なんでも鑑定団でもドームの花瓶1点に120万円、花生け1点に50万円という鑑定価格が付いています。
ただ、ひとくちにドーム兄弟の作品といっても価値や買取価格も様々ですので、このページではドーム作品の買取相場と鑑定のポイント、特に高く売れやすいドーム作品の特徴なども分かりやすく解説していきます。
ここがポイント!
ひとくちにドーム作品といっても、使われた技法やデザイン、制作年代によっても価値は大きく変わるため、鑑定は非常に難しいです。
また、こうした高額なアンティーク品は経済市場の影響も受けやすく、相場は常に上下を繰り返していますので、価値を100%自己鑑定に頼ってしまうのはおすすめできません。
そのためこのページで得た鑑定情報と並行して、骨董品買取業者の無料メール査定なども活用し、プロの目から見た正しい価値も知っておくことをおすすめします。
当サイトでもおすすめの骨董品買取業者「福ちゃん」と「日晃堂」であれば、完全無料で相談・査定を受け付けているので、もし気になるドームがあれば相談する事を推奨します!
西洋アンティーク作家の「ドーム兄弟」について
ドーム兄弟はフランスでのアールヌーヴォー流行時に活躍していた作家で、その後アールデコ様式が流行した際も第一線で活躍し、近代西洋美術史に多大な影響を与えました。
特に「花瓶」や「ランプ」作品が語られることが多いのですが、ドーム兄弟は人付き合いがうまく、様々なデザイナーや画家と共同制作を行っていたことでも知られますので、ドーム作品には様々なジャンルが存在します。
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花瓶
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ランプ
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グラス
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コンポート皿
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ガラスオブジェ
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クリアガラス作品
高く売れるドーム作品とはどんなもの?
ドーム兄弟の作品は主に上記のようなジャンルに分けられますが、こうした品物のジャンルは買取価格と直接的な関係はありません。
ドームの買取において大切な鑑定ポイントは「状態」と「希少価値」です。
特に希少価値の分野における鑑定ポイントは多数あり、例えば「技法」や「デザイン」「制作年代」など複数が挙げられます。
そのため「状態が良いから高価買取」という他にも、「珍しい技法が使われているから」「風景画を取り入れた人気が高い作品だから」など、高価買取に至る理由も様々です。
ここが注意点!
ドーム作品は価値が高いことで有名で、もちろん偽物や贋作も数多く存在します。
「サインが変」「仕上がりが荒い」などの分かりやすい偽物もあるのですが、中には余程のプロでないと見抜けないような精巧な品も存在します。
例えば”この装飾が付いていれば更に価値が高くなる作品だった”というケースがあるのですが、その場合「本物のドーム作品を入手し、その装飾だけを第三者が取り付けた」という、いわゆる”半偽物”の品も存在するほどです。
骨董品買取業者なら真贋も含む査定結果を出してくれるので安心ですが、真贋が分からないドーム作品をそのままヤフオクやメルカリで売却してしまうのはあまりおすすめ出来ません。
また、本物か偽物か分からない品の場合も、捨てる前に一度は専門家に相談しておくことをおすすめします。専門家の査定によって本物だと判明し、高く売れるものだったという可能性も十分にあるからです。
ドームはアンティーク市場でも盛んに取引される作品で、相場も幅広く、例えば花瓶ひとつ取ってみても20万円の値が付く品があれば、2000万円近くで取引される作品もあります。
何千万円で取引される作品になってくると、文献やカタログに掲載されていたり、美術館の所蔵歴があるなどそれなりの経歴があることが多いです。
ただ、そこまでいくとさすがに文化財レベルの希少品になりますので、普通の家庭からはそう滅多に見つかるものではありません。
ですが、ドーム作品には「技巧を凝らして作った高級品」もあれば、「一般販売を目的に作られた品」もあり、後者なら個人所有の割合も比較的高いです。
特にドーム兄弟の場合、比較的低コストの作品の品質には定評があった為、当時の富裕層はもちろん、一般市民からも幅広く受け入れられた作家で、流通量もそれなりに多いです。
そのため、例えば数万円~数十万円単位で売れるドーム作品であれば、一般家庭から見つかる可能性もかなり高いです!
では、ここからはどんなドーム作品にどれくらいの買取価格が付くのかも、具体的に紹介していきます。
ドーム作品の買取相場と価値について
ここでは、ドーム作品の買取事例として概要と相場をまとめて解説していきます。
ドーム 花器・花瓶(四季風景シリーズ)
ドーム作品の中でも数が多く、様々なデザインが見られるのが「花器・花瓶」です。
同時期に活躍していたガラス工芸家のエミールガレは、晩年になると作品も落ち着いたものが多くなっていったのですが、ドーム兄弟は自然美を明快に打ち出した明るい作風のものが多くなっていきます。
また、ガレは渋い色調でまとめている作品が多いのですが、対しドームは明るく華やかな色使いの作品が多いです。
色へのこだわりも強く、鮮やかで複雑な色を出すために、色ガラスの粉をまぶして溶かす”ヴィトリフィカシオン”という技法も1910年以降に多用しています。
こちらの花瓶はドームの四季風景シリーズの冬の作品で、買取相場としてはおよそ22万円~28万円前後が期待できます。形状・状態によっては50万円を超える買取価格も期待できる作品です。
この風景作品は1890年代~1900年初頭にかけて作られていたシリーズで、図柄は春夏秋冬とあるのですが、日本では冬の風景作品が一番人気が高く、比例して相場も高額になりやすい傾向があります。
ただ、下記リストのように、ひとくちに花器・花瓶と言っても品物によって買取相場は大きく異なります。
品物情報 | 買取相場 |
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ドーム あさがお文花器 エナメル彩/ヴィトリフィカシオン | 22万円 |
ドーム アプカシオン蝸牛文花瓶 | 15万円~18万円 |
ドーム エナメル彩大鷲文花瓶 | 550万円 |
ドーム ランプ
ドーム兄弟が活躍していた時代は、ちょうどヨーロッパに電気照明が普及した時代と重なります。そのためテーブルランプの全盛期でもあり、数多くのアールヌーヴォー作家たちがランプを手掛けていました。
ランプは日常で使う品ですので比較的壊れやすく、当時から長く残っているような品になると、似たようなパーツと組み合わせて修繕した品も多くなります。
そのため、全て当時のオリジナルで残っているものは希少価値が高く、買取価格としては相場の倍以上が期待できるケースも多いです。
こちらは1908年頃に製作されたドームのランプで、買取相場としてはおよそ30万円~38万円前後が期待できる品です。
既にパーツは交換されていますが、数多くの技法が使われていて比較的価値が高いです。
品物情報 | 買取相場 |
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ドーム ペルルメタリック アールデコランプ | 15万円 |
ドーム エナメル彩テーブルランプ | 60万円~75万円 |
ドーム すみれ文エナメル彩ランプ | 580万円 |
高く売れるドームの特徴と制作年代
基本的にドーム作品の価値は「状態」や「装飾や技法(手の込んだ作品ほど価値が高い)」などの複数のポイントで決定するのですが、「制作年代」も大切な鑑定ポイントのひとつです。
何故なら、ドーム兄弟は制作年代によって作品をある程度シリーズ化していた傾向があり、それ以外の品(見たことがない図柄やサインなどの作品)は偽物である可能性も高いからです。
制作年代はプロでないとなかなか見分けが付かないので詳しい部分は割愛しますが、もし鑑定書などが付いている作品なら、鑑定書に制作年代が記載されている場合があります。
アールヌーヴォー前期(1878年~1888年)
ドーム兄弟のガラス工芸家としての歩みは、ドームの父が破産してしまったナンシーのガラス工場を買い取り、ガラス工場の経営者となったのが始まりです。
兄のオーギュストは1878年頃から、弟のアントナンは1887年頃から、父の仕事の手伝いでガラス工芸の道へ進むことになります。
最初は食器などの日用雑器を手掛けていましたが、アールヌーヴォーのガラス工芸家「エミールガレ」がパリ万博で受賞したのをきっかけに、芸術品としてのガラス工芸品を作ることを決意します。
1891年に装飾ガラスを制作する部門を設立、1893年には画家のジャック・グリュベール、1897年からはアンリ・ベルジェがデザイン主任を務める等、優秀な人材を当時から多く集めています。
エミールガレは個人の才能で商売を大きくしましたが、ドーム兄弟は様々な芸術家と共に事業を大きくしており、経営面でも対照的な存在だといえるでしょう。
比較的初期の作品には、まだガラス技法の開発も限られていたためエナメル彩で装飾を施したものが多く、はっきりとした線を用いたデザインの作品が多いです。
アールヌーヴォー後期(1888年~1914年)
エミールガレは暗く落ち着いたデザインを好んでいたのと対照に、ドーム兄弟はどんどん華やかな作品を手掛けるようになります。
この頃のドーム兄弟の特徴的な技法としては「アンテルカレール」「ヴィトリフィカシオン」などが挙げられます。
アンテルカレールとは模様を描いたガラスの上にさらにガラスを被せる技法で、ドーム兄弟が特許を取っています。1899年に開発したこの技法によって作品により奥行きが表現できるようになりました。
ヴィトリフィカシオンは粉末の色ガラスをまぶして素地になじませる技法で、より多くの色を出すことが出来るため、作品がより華やかになりました。
また、こうした技法を用いることによって使える色の数が増えたため、バランスを取るために輪郭線を少しぼかし、幻想的な作品を作るようになっていきます。
ガラス工芸の魅力を高いレベルで引き出すことに成功したドームは、1905年には400人以上の従業員を抱える大企業へと成長しています。
品物情報 | 買取相場 |
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風雨樹林文 ヴィトリフィカシオン花瓶 | 85万円 |
向日葵文サリッシュール花瓶 | 40万円 |
樹林文酸化腐蝕彫り花瓶 | 35万円 |
アールデコ期(1914年以降)
1914年には第一次世界大戦の影響によって多くの従業員が動員され、工房は停止します。ですが5年後に再開し、以降はアールデコのスタイルを取り入れた作品を多く手がけるようになりました。
作風はアールヌーヴォーの時とがらっと変わり、シヴレー加工や酸化腐蝕を多用した透明ガラスの作品が多くなります。アールデコを象徴する幾何学表現を取り入れた比較的シンプルな作品を作り、世間の流行に応えていきました。
エミールガレとの相違点はここにもあり、個性やメッセージ性の強いガレの作品とは異なり、ドーム兄弟は時代に合った万人に好まれる作品を追求していきました。作品にメッセージ性を持たせることもほとんどありませんでした。
1930年代のドームの作品は無色のガラス製品が多いのですが、その中で僅かな色付きガラスを使用した作品は珍しく、相場も比較的高めです。そのため、最近は偽物も確認されるようになりました。
アールデコの流行が去った後もクリスタルガラスの置物などを製造し、また、1968年からは画家のサルバドール・ダリのデザインによるパート・ド・ヴェールの作品も発表する等、時代の流行に沿った作品を多く手がけています。
クリスタル・ドーム(ドーム・クリエーション工房)
実はドーム社は高級クリスタルガラスの専門メーカーとして、現在も「クリスタル・ドーム」の社名で経営が続けられています。
1976年と比較的近年まで一族経営が続けられ、現在も創造性・斬新さ・独創性をキーワードに数々のガラスアートを手掛けています。
限定制作の品などもあり、希少価値が高いものは相場も高めです。
品物情報 | 買取相場 |
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クリスタルガラス カーオブジェ | 75000円 |
パート・ド・クリスタル 花瓶 | 60000円 |
ローズコレクション 花瓶 | 38000円 |
ここが注意点!
ただ、こうした制作年代は作品を見るうえでのポイントのひとつで、あくまで買取価格として重視されるのは「希少価値」や「真贋(本物か偽物か)」などの点です。
というのも、ドーム作品にはかなり偽物が多く、特にアールヌーヴォー期に多く手がけていた風景作品、植物文様作品には多くの偽物が存在しています。
そのうえ、作品の価値も装飾や状態によって様々で、その品ごとに買取価格は大きく異なります。
特に真贋判定はかなり大切なポイントになるのですが、アンティーク素人が見極めるのは非常に難しいので、ドームの価値・買取価格が気になる場合、骨董品買取業者の無料査定を活用することをおすすめします!
ドームを高く売る為のコツと注意点
ドームのアンティーク品を高く売るための大切なポイントは、やはり「お持ちのドーム作品の相場をきちんと知っておくこと」に尽きます。
相場さえしっかり把握していれば、例えばヤフオクやメルカリなどで個人売買を行うにしても、好みの買取業者へ売却するにしても、本来の価値より安く売ってしまって損するケースは避けられます。
また、ドーム作品は非常に偽物が多いため、本物か偽物か分からないままオークションなどで売ってしまうと、後にトラブルに発展する可能性もありますので、あらかじめ価値を知っておくことでこうしたトラブルも防ぐことが出来ます。
ですが、ドーム作品の価値を鑑定するのは熟練のプロでないと困難ですし、こうした高級なアンティーク品はその時の経済に影響されて相場が変わりますので、常日頃から市場に出入りしたり、リアルタイムでアンティーク品に携わっている人物でないと正確な相場は分かりません。
そのうえ、各業者ごとの在庫状況や流通ルートによっても簡単に買取価格は変わってしまうので、買取業者に依頼する際は、高く売れる業者選びも重要になってきます。
そこで、素人でも簡単にドーム作品の相場を知る方法として、まず2社以上の骨董品買取業者に相見積もりを依頼し、買取相場を把握する方法を推奨しています。
複数の業者へ依頼することで大体の買取相場を簡単に把握できますし、買取業者ごとの買取価格差も大体分かるので、実際に売るときも簡単に高く売れる業者が分かります。
メール査定を利用すれば無料で色々な相談が出来ますし、問い合わせの内容は使い回し出来るので手間も掛かりません。
専門家からどういう作品なのかも教えてもらえますし、正確な買取相場も簡単に分かるので、ドーム作品のような複雑なアンティーク品の価値を知るには「複数の買取業者へ問い合わせる」という方法をおすすめしています。
ここが注意点!
メール査定を送る業者の選び方ですが、まず「怪しい買取業者へ問い合わせるのはやめておく」ことが大切です。
もし悪質な買取業者に当たってしまった場合、言いくるめられて価値に見合わない値段で売ってしまうという可能性も考えられますので、まずは信頼できる買取業者にあたってみることをおすすめします。
ドームの鑑定・売却のおすすめ業者は?
ドーム作品の場合は特にイスラエルで作られた偽物が多く、個人オークションにも数多くの真贋不明品が出回っています。
ドーム兄弟の作品に偽物が多い理由としては、まず「人気の有名作家だから」、そして「プロでないと見分けが難しいから(=騙しやすい)」という点が挙げられます。
ドーム作品を見るには専門的な知識が必要で「この技法にどれくらいの手間が掛かっているか」「この図柄は人気が高く、市場での需要も見込める」など、ほぼ外観情報のみから適正な価値を読み取る必要があります。
また、高級アンティーク品は世界情勢や市場の状態によっても簡単に買取相場が変動しますので、一度はプロの意見を聞いておくことをおすすめします。
こうした高級な美術品は、本来の価値を知らないまま安値で処分してしまうと非常にもったいないので、まずは当サイトでもおすすめの骨董品買取業者「福ちゃん」か「日晃堂」に無料相談してみることをおすすめします。
ドームの買取をしている業者は色々とありますが、こちらの二社を特におすすめしている理由は「買取価格・鑑定力・専門性・サービス対応」など骨董品買取に関する実績が特に優れていたからです。
特に、福ちゃんは焼物やアンティークにも精通している中尾彬さんと池波志乃さんがご夫婦でイメージキャラクターとして起用し、テレビCMなどのメディア展開、200万点をこえる買取実績数など、大手買取業者として信頼できるので、ドームの買取で悩んでいれば福ちゃんに相談すれば間違いありません!
福ちゃんのおすすめポイントまとめ
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- 骨董品買取サービスは完全無料で利用可能
- 総合買取業者なので、幅広い不用品でもまとめて任せる事ができる
- 実績豊富な大手買取業者の一社なので、大手としての安心感あり
- 遺品丸ごとパックという独自サービスあり
福ちゃんの骨董品買取サービスのメリットを挙げればキリがありませんが、全国的に見てもここまで総合的に優れた骨董品買取サービスを提供しているのは福ちゃんの他にありません。
「ドームの買取価格が知りたいだけ」といった、相談だけをしたい時も福ちゃんでは積極的に対応しています。
もしも、自宅で気になるドームが見つかってどうしようか悩んでいれば、とりあえず福ちゃんに相談して色々と教えてもらうとよいでしょう!
ドーム買取についてまとめ
ドーム兄弟は、エミールガレと並んでアールヌーヴォー期のガラス工芸を牽引してきた有名な作家で、現在もナンシーの地に工房を置いています。
ガレの自然主義作品には虫をモチーフにしたものも多いのですが、ドーム作品は植物や風景を主体にした作品がほとんどですので、万人受けしやすい点も特徴だと言えるでしょう。
また、ドームは生前から評価が高かったタイプの作家ですので、ドームの作品だと知りつつも粗末に扱うような人はほとんど居らず、ゆえに古い作品でも比較的綺麗な状態で残っていることが多いです。
ただ、ドーム作品の買取相場は非常に幅広く、偽物・贋作も多いため、一度はプロの査定を受けておくことをおすすめしています。
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