このページでは、「棗」と「茶入」両方の鑑定・買取情報について紹介していきます。
両方とも茶道の際に抹茶を入れておく器のことで、棗は「漆器で出来た円柱形の蓋物容器で、薄茶を入れるもの」、そして茶入は「陶磁器で出来ている蓋物容器で、濃茶を入れるもの」です。
そのため、お持ちの蓋付きの器が木製漆塗りであれば「棗」、陶磁器で出来ていれば「茶入」です。この2種を総称して「茶器」と呼ぶこともあります。
棗や茶入は骨董品・美術品として鑑定されるような品も多く、中には1点数百万円単位で取引されるような棗も多く存在します。
このページでは、茶道具の「棗」と「茶入」について、骨董品市場での買取相場や鑑定価値、高く売れやすい棗・茶入の特徴などを分かりやすく解説していきます。
ここがポイント!
棗や茶入の価値を鑑定するのは非常に難しく、素人が一見しただけではまず分かりません。
当サイトでもおすすめしている骨董品買取業者「福ちゃん」と「日晃堂」ばら完全無料で相談・査定を受け付けているので、もし価値が気になる棗や茶入があれば相談する事をおすすめします!
目次
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「棗」「茶入」の買取価格・価値は高いの?
茶道具の一種である「棗」は、漆器製の蓋付きの器で、抹茶を入れるために使用します。陶磁器などの漆器以外の素材なら、棗ではなく「茶入」に分類されます。
棗や茶入は、茶道をやっていないとなかなか日常で使う機会もありませんが、骨董品として高く売れる種類も多く、「有名な作家作品」「有名な茶人の書付などがある品」「骨董品としての希少価値が評価される品」などは数十万円~の価格で取引されることもある程です。
また、茶道で有名な千利休は、黒無地のシンプルな棗を好みました。そのため、 一見あまり高額に見えないシンプルな棗でも、実は高名な作家が作った高級品だったという可能性もあります。茶入も同様で、利休の”わびさび”の思想に沿うような、質素でシンプルなものが好まれたようです。
棗・茶入は素材や装飾によって種類は多岐に渡るので、数点ピックアップして紹介します。
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黒塗棗
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溜塗棗
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一閑張棗
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蒔絵棗
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萩焼茶入
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備前茶入
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唐津焼茶入
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ガラス茶入
高く売れる棗や茶入ってどんなもの?
棗と茶入の種類をいくつか画像で紹介しましたが、実は上記のような「棗や茶入の種類」は、高く売れる物かどうかそこまで関係ありません。
棗や茶入れにおいて、高く売れる鑑定ポイントは「作家物かどうか」「茶人の書付などが付いているか」「骨董品として希少価値が評価されるものか」など複数あり、複合的な要素で買取価格が決定していきます。
種類や素材が多岐に渡るぶん「貴重な唐物骨董だから」「有名な茶人が認めた品だから」「高名な作家が手掛けた品だから」など高価買取に至る理由も様々です。
ここが注意点!
「あまり価値がなさそう」と思う棗や茶入であっても、処分してしまう前に一度は専門家へ相談しておくことをおすすめします。
作家物でなくても高く売れる種類もありますし、一見シンプルで無価値な棗や茶入に見えていたとしても、専門家が鑑定すれば有名な作家物で、高い価値があるものだったという可能性もあります。
貴重な棗や茶入であれば数百万円単位の価格で取引されることもあるのですが、そうした価値の高いものは既に収集家の手に渡っていたり、あるいは美術館が所蔵している割合が高いので、さすがに滅多に見つかるものではありません。
ですが、 数万円~数十万円の買取価格が付く棗や茶入なら、一般家庭から出てくる割合もかなり高く「掃除の際に見つけたものだけど」「茶道をやっていた家族のコレクション」といった茶器が高く売れる可能性も十分にあります。
棗や茶入は、茶道をやっていないとなかなか使う機会がありませんが、骨董品市場ではこうした価値ある茶器の需要はかなり高いので、古くて価値のありそうな棗や茶入を見つけたらまずは専門業者による無料相談や無料査定を活用し、買取価格を確認することをおすすめしています。
では、具体的にどういう棗や茶入が、どれほどの買取価格になるのかも続けて紹介していきます。
棗・茶入の買取相場と価値について
ここでは、棗と茶入の買取事例として概要と相場をまとめて解説していきます。
漆器棗 川端近左作
こちらは「川端近左」という漆芸家が作った蒔絵の棗です。約200年もの歴史を持つ由緒ある家元で、現在は6代目が活躍されています。
棗以外にも香合や建水など様々な漆器作品を手掛けていますが、こちらの棗に関して言えば、買取相場としてはおよそ12万円~15万円の品です。
漆器棗 一后一兆作
「一后一兆(いちごいっちょう)」とは石川県の蒔絵師で、素性こそあまり知られていませんが日展にも多く入選し、輪島塗の名手として高い評価を獲得しています。
全て金蒔絵で装飾した豪華絢爛かつ緻密な作品を得意としており、皇太子美智子妃の御買上になった品もあります。特に棗の評価は非常に高く、千家宗匠の書付認定塗師としても認められています。
棗でも様々なバリエーションを持ち、比例して買取相場も幅広いのですが、こちらの棗だとおよそ9万円~13万円前後の買取相場になる品です。
備前焼茶入 荒川豊蔵作
こちらの備前焼の茶入は「荒川豊蔵」という作家の作品です。荒川豊藏は昭和に活躍した美濃焼の陶芸家ですが、瀬戸焼や備前焼など様々な陶磁器作品を残しています。
そのため買取相場も様々ですが、こちらの備前焼の茶入で言えば、買取相場はおよそ13万円~18万円前後です。
瀬戸焼茶入 作者不明
ここまで作家物の棗や茶入を紹介してきたので「作家物の茶器でないと価値がないのか」と思われるかも知れませんが、実は作者が不明の茶器でも高い鑑定価値がある例は非常に多いです。
こちらの瀬戸焼の茶入は作者こそ不明ですが、裏千家15代目の「鵬雲斎」の箱が付いていて、買取相場としてはおよそ3万円~5万円前後になる品です。
こうした茶道の家元などの権威のある人物が品名を書いた箱を「書付」といい、茶人が認めた良い茶道具として扱われるため、こうした書付の有無も鑑定ポイントのひとつに数えられます。
高く売れる棗や茶入の特徴と作家情報
高く売れる棗や茶入は上記で紹介したように様々ありますが、ここでは高価買取が期待できる「有名な棗・茶入作家」について紹介していきます。
棗と茶入では素材が違うので、棗の場合は「漆芸家」、茶入れの場合は「陶芸家」が作っている場合が多いです。
こちらで紹介している作家に該当する棗や茶入をお持ちであれば、複数の買取業者に相見積もりをとってから売る事をおすすめします!
中村宗哲
「中村宗哲」は千家十職のうちの塗師の家で、明治以降は茶道具を専門に制作しています。約400年続く歴史ある家元で、現在は13代目が活躍しています。
花入や香合など様々な茶道具を制作していますが、特に棗は有名で、利休形棗の型は中村宗哲家に伝来するものとなっています。また、3代が70歳の時に700点もの棗を制作し、”彭祖宗哲”と称されたエピソードも残っています。
棗に関しての買取相場で言えば、1点あたりおよそ10万円~30万円で取引される場合が多いのですが、値段もピンキリで、ここ5年以内では棗1点が約110万円で取引された事例があります。
品物情報 | 買取相場 |
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13代中村宗哲 黒中棗(高さ:約6.4cm、幅:約6.9cm) | 40万円 |
8代中村宗哲 紅溜棗(高さ:約5.3cm、幅:約7.8cm) | 35000円~5万円 |
4代中村宗哲 利休形棗(高さ:約6.4cm、幅:約6.5cm) | 18万円 |
黒田正玄
「黒田正玄」は千家十職の一つとして数えられる家元で、主に竹細工の茶道具や柄杓、漆器などの茶道具を制作しています。こちらの歴史ある家元で、現在は14代目が活躍されています。
特に竹細工に精通し”竹の正玄”とも称される程ですが、棗作品も多く、伝統を遵守した丁寧な手仕事に定評があります。
棗の買取相場としては、こちらも状態や装飾によって幅広いのですが、1点あたりおよそ5万円~10万円前後になる場合が多いです。ただ、こちらも実際の品によって買取価格の差があり、ここ5年以内では棗1点がおよそ35万円前後で取引された事例があります。
品物情報 | 買取相場 |
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黒田正玄 竹棗(高さ:約5.8cm、幅:約8.0cm) | 3万円 |
黒田正玄 蒔絵棗(高さ:約5.9cm、幅:約8.6cm) | 15万円 |
黒田正玄 蒔絵竹棗(高さ:約7.4cm、幅:約7.3cm) | 22万円 |
三輪休雪
「三輪休雪」は萩焼の窯元で、現在は13代目が活躍されています。襲名によって、当主である間は三輪休雪を名乗り、隠居後はそれぞれの号を名乗ります。
10代の三輪休和、11代の三輪壽雪は人間国宝の認定を受けており、萩焼の白釉に独自の技法を編み出し”休雪白”と呼ばれるようになりました。茶入は10代休雪(三輪休和)が好んで作ったものが多く、骨董品市場にある休雪の茶入はほぼ10代の作品です。
茶入の他にも茶碗や香合など様々な萩焼作品を手掛けていますが、茶入に関して言えば、およそ8万円~13万円前後の買取相場になることが多いです。
こちらも、作品の出来栄えや展覧会への出展歴などによって買取価格は大きく変わり、ここ5年以内でいえば、晩年作で優作と言われる茶入が、およそ30万円で取引されました。
品物情報 | 買取相場 |
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10代三輪休雪 萩焼茶入(高さ:約9.5cm、幅:約7.4cm) | 8万円 |
10代三輪休雪 萩焼茶入 銘有り(高さ:約7.6cm、幅:約6.6cm) | 30万円 |
10代三輪休雪 萩焼茶入(高さ:約8.5cm、幅:約6.4cm) | 10万円 |
大きく分けて、棗や茶入の価値は「作家」と「素材」「歴史的価値」の3点から見ることが出来ます。
一般家庭から出てきて、かつ価値の高い棗や茶入となると「作家物」である割合がかなり高いので、お持ちの茶器があらかじめ作家物だと分かっているだけでも、ある程度の鑑定価格は期待できる状態です。
ただ、作家物の棗や茶入であっても、状態や出来栄えによって価値はピンキリですし、もちろん作家物でなくても高価買取が期待できる茶器は数多く存在するので、価値がありそうな棗や茶入を見つけたら、まずは骨董品買取業者へ相談してみる事をおすすめします!
ここが注意点!
作家物の棗や茶入であっても、贋作・偽物などの可能性もありますし、状態によっては絶対に高く売れるわけではありません。逆に、作家物だと分かっていない棗や茶器でも高く売れる可能性もあるので、茶器の価値・買取価格が知りたい場合は、骨董品買取業者の無料査定を活用することをおすすめします。
棗や茶入を高く売る為のコツと注意点
棗や茶入を確実に高く売るためのコツとしては、なんといっても棗や茶入の価値をある程度把握しておくのが最も良い方法です。
相場さえ正しく把握できていれば、オークションやフリマアプリで個人売買を行う場合も、好みの買取業者へ売却するにしても、不当に安く売ってしまって損するケースは避けられるからです。
ただ、棗や茶入を鑑定して価値を見極めるのは非常に難しく、それぞれに作家がいて、かつ装飾や状態も品によって全て異なりますし、展覧会の出展歴や書付の有無などで数十万円単位で買取価格が変わります。
棗や茶入れの価値を正しく見るには、経験を積んだ専門家でなければまず不可能です。
そのため、骨董品に詳しくない方でも簡単に棗や茶入れの相場を知る方法として、まず2社以上の骨董品買取業者に相見積もりを依頼し、買取相場と作家作品かどうかを把握する方法をおすすめしています。
問い合わせ内容は使いまわし出来るので手軽ですし、複数の業者へ依頼することで、ブレを考慮した買取相場を把握することが出来ます。さらに、専門家からどういう作品なのかも教えてもらえるのでとてもおすすめの方法です。
ここが注意点!
相見積もりを取る際の注意点としては「よくわからない骨董品買取業者へ依頼するのは避ける」ことをおすすめしています。もし悪質な買取業者に当たってしまった場合、どんな骨董品でもガラクタ扱いしてタダ同然の価格で買取しようとしてきます。依頼するだけ時間の無駄になってしまいますし、不当に安く売ってしまって損する恐れもあります。
棗の鑑定・売却のおすすめ業者は?
棗は茶入は骨董品として鑑定価値が付くものも多くあり、「家の片付けで出てきた棗」「昔、母が茶道で使っていた茶入」などに数十万円の買取価格が付くような話も珍しくありません。
「捨てる前に一応聞いておこう」と軽い気持ちで問い合わせた棗や茶入に買取価格が付くことも多く、例え価値がないように見える棗や茶入であったとしても、実は非常に高い買取価格が付くようなものかも知れません。
知らないうちに捨ててしまったり、本来の価値を知らないまま粗末に扱ってしまうと非常にもったいないので、当サイトでもおすすめの「福ちゃん」か「日晃堂」に無料相談してみることをおすすめします。
棗の買取をしている業者は色々とありますが、こちらの二社を特におすすめしている理由は「買取価格・鑑定力・専門性・サービス対応」など骨董品買取に関する実績が特に優れていたからです。
特に、福ちゃんは焼物やアンティークにも精通している中尾彬さんと池波志乃さんがご夫婦でイメージキャラクターとして起用し、テレビCMなどのメディア展開、200万点をこえる買取実績数など、大手買取業者として信頼できるので、棗の買取で悩んでいれば福ちゃんに相談すれば間違いありません!
福ちゃんのおすすめポイントまとめ
- 骨董品買取でも経験豊富な査定士が在籍
- 骨董品買取サービスは完全無料で利用可能
- 総合買取業者なので、幅広い不用品でもまとめて任せる事ができる
- 実績豊富な大手買取業者の一社なので、大手としての安心感あり
- 遺品丸ごとパックという独自サービスあり
福ちゃんの骨董品買取サービスのメリットを挙げればキリがありませんが、全国的に見てもここまで総合的に優れた骨董品買取サービスを提供しているのは福ちゃんの他にありません。
「棗の買取価格が知りたいだけ」といった、相談だけをしたい時も福ちゃんでは積極的に対応しています。
もしも、自宅で気になる棗が見つかってどうしようか悩んでいれば、とりあえず福ちゃんに相談して色々と教えてもらうとよいでしょう!
棗・茶入買取についてまとめ
価値の高い棗や茶入は骨董品・美術品として扱われ、貨幣的な評価が付き、骨董品市場においても盛んに取引されています。
鑑賞用として購入する富裕層も居れば、「良い茶会には良い茶道具を」と実用面で購入する方も居て、価値の高い棗や茶入の需要はまだまだ高いです。
古そうな棗や茶入なら必ず価値があるというわけではありませんが、鑑定の結果「有名作家の棗」「歴史的価値が評価される茶入」などと判明すれば、茶器1点に数十万円単位の買取価格がつく事も珍しくありません。
ただ、棗や茶入の価値を見極めるのは非常に難しく、オークションやフリマアプリなどで自分で売却しようとすると、不当に安く売ってしまって損をしたという事にもなりかねませんので、まずは信頼できる骨董品買取業者に相談することをおすすめしています。